雑記

えなの日常徒然日記

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胸がもっとあると思った?
・・・・それは、私が水泳してて胸筋発達してるから、そう見えるだけ。
・・・・どうせやわらかい胸を期待してて、触ってみてそうでもなかったからそう思ったんでしょう。

もっと華奢だと思った?
・・・・着やせするタイプなんだろうね、私は。
・・・・思ってた以上に贅肉がついてて、セックスするときに気にでもなった?

勝手に想像して、実物にがっかりするなんて、どこに私に非があるの?

しかもカラダの事なんて、仕方ないじゃない。

水泳してて、筋肉つけて、何が悪いんですか。

ってかね、根本的に何か間違ってる。
エッチして、自分の理想と違ったら別れるのか?
亮太が好きになったのは、私の外見?
それとも見た目のカラダ?
性格とかはどうでも良かった、ってこと?

今までサークルの付き合い2年ちょっとで、亮太は私の何を見てきたんだろう・・・・

わからないよ・・・りょうた・・・



ちゃっちな学生アパートに帰り着いて、必要最小限しかない自分の部屋を見渡す。
お気に入りのお香を焚いて、お気に入りの音楽を掛けても、いつものような幸せな気持ちには到底なれなかった。

こんな時だから、何もない自分の部屋を見て悲しい気分になる。
せめてぬいぐるみとか、クッションとか、何か置いておけば良かったのに、と朝子は溜息を吐いた。

「って、私が部屋にぬいぐるみ置いてるなんて、考えられないけど」

何をしても溜息しか出ない。
じっとしていると、思考が悪い方へ、悪い方へといってしまう。
・・・いや、悪い方、というか、どちらかというと怒りへと変わっているような気もするが。

「あー、もう!体動かせば、考えなくて済むはずっ!」

立ち上がって、朝子はいつもスポーツクラブに行くときに使っているトートバッグを手に取った。
中に入っているのは水着とキャップ、ゴーグル、セイム、化粧ポーチ。

「えっと・・・今はー・・・11時だから、もう泳げる時間よね」

朝子の通うスポーツクラブは、いくつかのコースに別れた会員制である。
そのコースの中で、朝子はいつでも使えるが、使用可能施設はプールのみのコース会員だ。
普段は平日夕方〜夜しか利用しない朝子にとって、平日の真っ昼間は未知の領域だったが、このどうしようもない気持ちを紛らわせるのに泳ぐことは最適。
歩いて20分ほどの距離を、朝子は音楽を聴きながら歩いていった。





・・・昼間はおばちゃんばっかりなんだねー・・・

思わず苦笑がもれてしまいそうな口元を、慌てて引き締める。
いつも朝子が泳いでいる時間帯は、明らかに会社帰りのOLや、30代の会社員が多いし、人も多い。
けれど、時間帯は、どうやら仲良しグループらしいおばちゃん達ばかりだ。
人もそんなに多くない。

そっか、この時間に来ればいいのね

いつもの時間帯は、人が多くて自分のペースでは泳げない。
しかも、正直あの時間帯の人たちは恐い。
おばちゃん達は、みんな楽しそうだし恐くなさそう。

悠々と1コースを占領して、朝子はひたすらに泳いでいた。
ひんやりとした水の流れが、自分の悪いことも流してくれてるような気がして気持ちいい。
横のコースでおばちゃんがゆったりと泳いでいるのを尻目に、朝子はターンした。

あと100泳いだら、3キロになるし、今日はこれくらいで良いかな・・・

泳いだ距離を計算し、ラスト100だと自分に踏ん切りをつけてキックする足に力を入れたときだった。

前、誰か泳いでる・・・?

ターンする前は居なかったのに、と朝子は驚いた。

まぁ、一人で1コース使ってるし、他のコースはおばちゃんが使ってるから、仕方ないのかな。

前を行く人も、朝子も自由形で泳ぐ。
25メートルプールなので、すぐに折り返しかきた。
さっきと同じようにターンし、ドルフィンキックを打つ。
すると、驚いたことに、朝子の後ろにも人が居た。

わ・・挟まれちゃったよー・・・

前にも後ろにも人が居る状態では、自然とそのペースに合わせて泳がなければいけなくなる。
残りの60メートルくらいが、とても憎らしく感じた。

・・・自分のペースで最後まで泳げると思ったのに。

そう思っている間にも、前を泳いでいる人からは段々と離されてくる。
さっきまで感じていた、前の人がキックしたときの泡が少なくなっているのがその証拠だ。
朝子は不安を感じて、息継ぎをするときに後ろを見た。

さっきより近くなってるー!

ターンする前に比べて、後ろの人との距離が縮まっていた。
すぐにキックに力を入れ直す。
こういう場で、迷惑を掛けるのは朝子のプライドに触った。
プルも出来るだけ大きく、キャッチ出来るように。
出来るだけ早く泳ぐことに集中しながら、朝子はラスト50のターンを迎える。

バシャッ

ターンするときの足にも気合いが入ったのか、いつもより強く水に叩きつけられた。
広がる前との距離に、縮まる後ろとの距離。
朝子はラスト50を、必死に足と手を動かし、息継ぎを出来るだけ少なくして早く泳いだ。



ザバッ

自ら勢いよく頭を出し、素早く隣のコースに移動する。
こんなに一生懸命泳いだのは、高校の部活以来だ。
仕舞いだとばかりにキャップとゴーグルを取り、結んでいた髪をほどいた。
心地よい疲労感が、朝子を支配する。

「・・・が・・頑張った・・」
「そうだな、お疲れ」
「はい、どーも・・・」

・・・・って、え?

「・・・・だれですか?」

一人で来たはずなのに、会話をするのはおかしい。
朝子は目を瞬いて振り返った。

「後ろで泳いでた人」

げっ、あの速い人ですか・・・。

思わず顔が引きつる。
そんな朝子を無表情に見て、後ろで泳いでた人は続けた。

「見たこと亡いけど、ココ初めて?」

ふるふると首を振り、朝子は否定する。

「あっそ、じゃぁココにはよく来る?」

今度はゆっくり頷いて肯定。
後ろを泳いでた人はよし、と一人で納得し、朝子に提案した。

「俺等と組もうぜ」
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